■ 読本紹介 2005年7月


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 手折られた青い百合 歓楽の都  / 駒崎 優  (角川ビーンズ文庫)


ロンドンの自治区レーンは “歓楽の都”。
そこの住人のショウは、美しくも誇り高い、トップクラスの 『宝石』 の少年だ。
同じ “金の城” で働くエマやヒュー、新しくレーンやってきた医師のレイ、新入り 『宝石』 のアリーナ。
彼らの前に、怪しい薬が持ち込まれる事件が相次ぎ、住人の中に死者が出るまでになる。
ショウ達レーンの住人は一丸となって薬物密売ルートを暴こうと動きだす。


レーンという自治区の仕組みがおもしろい。
国と国王に認められた巨大な売春宿で、住民は宝石と呼ばれる娼婦あるいは男娼、それに係わる仕事をしている人間、というものすごい場所だが、 個性ある人々が描かれている。
「この町に足を踏み入れた瞬間、身分や地位は一切不問とされ、男であろうと女であろうと、金さえ払えば世間のしがらみを捨て、自由に楽しみを見いだす事ができる」 、「町に入ろうとする物は、一切の武器を取り上げられる。たとえ相手が国王であったとしても、この規則が曲げられる事はない」、 「徹底された秘密厳守の規則を利用して、レーンではしばしば、商売や政治の裏取引も行われている」
その他いろいろの設定がおもしろい。
切ないくて、でも優しい雰囲気が好きだなぁ。



 譚詩曲の流れゆく 歓楽の都  / 駒崎 優  (角川ビーンズ文庫)


ロンドンの “歓楽の都” レーン住む美しき 『宝石』 の青年ショウは、ダドリーという純朴な大学生を保護する。
彼は友人と殺人計画の密談を聞いてしまい、レーンに逃げ込んだのだという。
その友人がレーンで死体となって発見される。
口封じのためか? 街に殺し屋が進入したのか?
自分も殺されるのかと脅えるダドリーを、ショウは自分の部屋に匿うことにするが――。


主人公たちは、事件に巻き込まれているようで、少し距離のある描かれ方をしていて、独特な雰囲気になっている。
事件を解決するのは主人公でなく、レーン。事務局の人間も出てきて面白くなってきた。
レーン内の情報の伝わりの早さや、レーンのやり口が 「脅迫と裏取引」 な感じが出てきたのもこの辺りから。
ショウがかわいいなぁ。と思えた一冊でした。



 甘美なる夜に咲く花 歓楽の都  / 駒崎 優  (角川ビーンズ文庫)


ロンドンの “歓楽の都” レーンで働く医師レイのもとに、幼馴染の美女ヴァイオレットが足繁く訪ねて来るようになる。
彼女の存在に、レイに特別な感情を抱く 『宝石』 のショウは心乱れる日々を送っていた。
同じ頃、英国の最重要書類が盗み出される事件が起きる。
その背後には英国の影の支配者セバスチャン=ジョーンズの姿があり・・・。


ショウやレイが事件に係わって来るようになってきた。
少し距離がある描かれ方のほうが好きだったなぁ・・・。
ルパート(国王陛下)が出てきたのは意外な感じ。まあ、毎回出てきている重要人物ですけどね(苦笑)
でも、エマやヒュー、アリーナのお仕事顔や普段顔が見え隠れで、面白い。
もっと、ショウやレイはわがままを言えばいいのに、とヤキモキしてきましたねぇ。(笑)






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